投稿

LIMIT NETWORK Vol.264

   いつもお世話になりありがとうございます。  過ぎ行く春が惜しまれる頃となりましたが、皐月は万物が生長する時季でございます。貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。  今月は仕事にプライベートにと関西や関東に出かける機会が多かったですが、どこに行っても外国人の方が多く、インバウンドの経済効果を目の当たりにしました。しかしながら裏を返せばそれだけ日本円が安くなっているわけで、来年二〇二五年にはインドの名目GDPが日本を上回る見通しになるとIMFが発表していました。  日本はアジアの経済大国の地位を失いつつあり、中国、インドの後塵を拝するようになってきており、更には韓国、インドネシアが日本を抜く事も想定されており、G7の資格を失うのも数年以内にあるかも知れません。  日本人は貧しくなり、今や日本は安いとしてアジアからも観光客が殺到してきていますが、これは言い換えれば日本より貧しいと見られていたインド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム等からの観光客のために日本人が働いている事を意味しており、観光部門ではすでに日本はアジア諸国より貧しくなっていると言えます。そしてさらに宿泊施設などサービス産業で働く従業員たちも、外国人の方が日本人より礼儀正しく良く働くと、最近では外国人頼りになってきているそうです。近い将来、低賃金で働く真面目な外国人の下で働く更に低賃金の日本人ばかりになり、このように働けない日本人は若者から高齢者にわたり存在しています。あと十年もすれば、どのような社会になっているでしょうか。  本日の時点で為替は先月書きました通り米ドルに対し百六十円を超えた円安に突入しました。その後少し戻しましたが、まだまだ気が気ではありません。日本は今後、どの分野で稼いでいくのか。国としての指針を示していただきたいものです。 関西地区のお客様訪問  今年は春のカタログでもお伝えしましたように、リミット㈱創業五十五周年を迎えることが出来ました。日頃のご愛顧に感謝申し上げる意を込めまして、今月上旬関西地区のお客様数社を表敬訪問させていただきました。日頃は通信販売ですので営業活動もなく、社長様と直接お会いしてお話しさせていただく機会もございませんが、この度はいろいろと景況感やご意見を伺うことが出来て大変勉強になりました。ご訪問させていただきましたお客様、本当にありがとうご

LIMIT NETWORK Vol.263

   いつもお世話になりありがとうございます。  ひと雨ごとに寒さもゆるみ、桜の満開まであと少しです。  先月までは広島の桜開花予想は春分の日前後とされていましたが、今年は寒暖差が大きく少し遅れています。コロナ禍でここ数年お花見に出かけることもありませんでしたが、今年は久しぶりに福山城でも散策しようと思っています。  約一年前に黒田東彦日銀総裁の後任に登板された植田和男総裁が、いよいよ十一年に渡る大規模緩和の修正を決断しました。マイナス金利を解除して十七年ぶりの利上げに踏み切り、長期金利を低く抑え込む枠組みも撤廃し、金融政策の正常化へ第一歩を踏み出しました。これで円高に動くと期待したのですが、先日は円キャリー取引が再加速して三十四年ぶりの円安水準。正常化の最終的なゴールはまだまだ先のようです。ビジネスの新陳代謝を促し、経済や物価などの市場の見方を映す金利本来の役割を取り戻すのは、今年の開花のようにまだまだ先のようです。 一、 大規模緩和の修正はしてみたが、  今月は価格改定して最初の月となりました。稼働日も二日少なく、前回価格改定した九年前の三月と同じく、前年同月のユニウェアブランド販売枚数はクリアできませんでした。それでもこの度から総合カタログに掲載されたハイクラスのリフィンブランドは好調なスタートとなり、先ずはホッとしています。  備後の同業アパレルにも商況をお伺いするのですが、どこも値上げにより売上高よりも販売枚数が落ちるのが在庫増につながり厳しいと声をそろえておっしゃいます。大企業を中心とした賃上げ満額回答のなか、多くの中小企業は賃上げに頭を抱えます。今の状況下で制服の更新を優先するのは難しいと思います。今後、金融政策の正常化が順調に進み、夏ごろには大手企業の好調な業績が中小企業にも波及してくるのを期待しております。  しかし冷静に考えてみると、大規模緩和を修正し利上げに踏み切ったとはいえ微々たるもので、長期金利を低く抑え込む枠組みも撤廃したといっても、国債の買い入れはこれまでどおりで止めないわけで、これではこれまでの黒田バズーカと同じくどんどん円を刷ればいいわけで国の借金は減らず、少子高齢化対策も効果がないまま将来世代の負担をさらに増やしてゆくだけです。これでは世界から見た円の価値は下がってゆくばかりで、ますます円安が続くのは必然のような気がします。  最

LIMIT NETWORK Vol.262

   いつもお世話になりありがとうございます。  三寒四温の季節となり朝夕と冷え込む日もありますが、冬の張りつめた空気ではなく寒さの中にも柔らかな気配を感じます。春の到来ももうすぐです。 一、 創業五五周年 記念カタログ発刊  先般、創業五五周年 記念カタログを皆様のお手元にお届けして、リミットの新年が本格的にスタートしました。皆様のご支援、ご愛顧を賜り、ここまでやってこられたことに改めて感謝申し上げます。  カタログに同封いたしました挨拶文でもお伝えいたしましたが、これからリミットが果たすべき使命「今日も安心を着る。まもる。」を企業スローガンに掲げ、リミットの社名文字とロゴマークも刷新し、社員一同、これまで以上にたゆまぬ努力を続けてまいります。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。  今般の新総合カタログでは、新たに国内生産のブラックフォーマル制服「リフィン」ブランドも加え、働く現場の「臨場感・既視感」をコンセプトに、地元福山市を中心に様々な業界でご活躍されている企業様のご協力のもと、実際の就業現場で撮影をいたしました。スタジオ撮影では感じることのできない就業現場での緊張感や休憩中のリラックスした和やかな情景は、撮影カメラのレンズにダイレクトに響いてくるものでした。また着用モデルにはドラマや映画で市井の人々を好演される俳優タレント陣を起用し、就業現場で働いておられる従業員の方々と現場での苦労話など聞きながら即席のセリフ付き寸劇を演じ、私など見ていて実際にここの職場の人なの?と感嘆してしまいました。昨今ではホームページやカタログでよく見かける立体画像や置き撮り写真が多用されておりますが、やはりユニフォームは職場で働く人が着用してなんぼのもんだと改めて気づかされました。 二、 値上げ前の受注状況  来月からの値上げを前に九年前の値上げ時同様、今月は前倒し注文が多いと覚悟していたのですが、この度も今月最終週に入ってから一気に注文が入りました。四週目まではあまり動きが無かったので心配しました。もともと二月は閑散期で小康状態ではあるのですが値上げ前ですのでさすがに気になり、販売店にお電話で状況をお伺いすることにいたしました。  あるお客様がおっしゃるには、やはり時期的には小康状態で、エンドユーザーも昨今の賃上げ報道に頭を痛めている状況の中、制服にまで頭が回らない状況にある。昨

LIMIT NETWORK Vol.261

   今年もよろしくお願いいたします  石川県能登地方の地震により被災されたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。  暦の上では大寒期も今週いっぱいで終わり、節分を迎え来週からはいよいよ立春です。被災地にも春が訪れ、避難所で寒さに凍えることなく一刻も早い復興を切に願っています。コロナ禍からようやく回復基調に向かっていた矢先での未曽有の災害。自然災害は時を選ばないということを改めて実感しました。北半球では北極爆発の影響が深刻化してきており、中国、アメリカ、スペインや北海道でも暴風雪で大荒れの天候が伝えられ、南半球のブラジルアマゾンでは記録的な干ばつ。地球もある意味生命体ですから、いつどのような変化を起こすかまだまだ解明されていません。人間がこの地球上で生存できなくなるようなことが、いつか来るのでしょうか。 久しぶりの対談  今月で今期も終了です。今期は徐々にコロナ禍からの復調の兆しが見えてきましたが、販売の方は急激な円安や原材料高騰などを受け、厳しい一年となりました。来期は九年ぶりの値上げになりますが、為替が今後どうなってゆくのか心配でなりません。そんななか昨年末に五年ぶりに中国の総経理が訪日してくれました。対面して久しぶりの董事会で直接、総経理から中国の現状を聞くことが出来ました。一番の心配事である台湾有事の可能性について総経理に率直な意見を伺いましたが、まだ台湾総統選前だったので読めない部分はあるが、順当にいけば近い将来は大丈夫。ウクライナ戦争も当初の予想を覆して長引いているので、三日間で台湾を占拠する自信が無ければ有事には向かわないのではないか、という意見でした。  確かにロシアもこんなに戦争が長引くとは当初考えていなかったでしょうし、アメリカもあまり台湾独立についてのコメントが最近出てないので現状維持で進んでいるような気がします。ただ今週の北朝鮮、中国、アメリカの日本近海での動きを見ていると、日に日に三者の動きが活発化しており不安です。もしも戦闘状態になったら、福州工場との輸出入も止まってしまいます。万が一の準備として国内工場の強化を少しずつ進め、どのような事態になろうとも生き残る道を確保しなければなりません。  久しぶりにまたこうして総経理と対面できたことは感慨深く、コロナ禍で会えなかった分、時間を惜しんでいろいろなことを語り合いました。 新カタログへの思

LIMIT NETWORK Vol.260

 本年も大変お世話になりありがとうございました。  今年のリミット通信も今号で最後となりました。いよいよ本格的な冬の到来です。ここ福山では小春日和の日もあり、ようやく赤く燃えた紅葉がきれいになりました。過ぎ去る晩秋に後ろ髪を引かれる思いの今日この頃です。  今年もいろいろな出来事がありました。五月には新型コロナウイルスが五類に移行し、それまでの緊急事態宣言のような行動制限が出来なくなり、経済活動も徐々に戻ってまいりました。先日新聞を読んでいましたら、旅行や移動系の利用者はコロナ前を上回っているようです。その拡大をけん引しているのは、人々の移動マインドがコロナ前以上に高まっているのと、主に交通系のアプリ利用が進み、この四年間でDXが進展した結果、企業・個人ともにアプリ活用のすそ野が広がり、利用者が大幅に増加したようです。たしかに私もJR東海の新幹線・電車予約アプリ「EXアプリ」をスマホで利用していますが、レンタカーまで予約でき、時間変更などもすぐにできるので出張する時はとても重宝しています。  いざ通常生活に戻ってみると、これまでの制限は一体何だったのかと疑問を持つこともありますが、これまでの自粛生活により抵抗力が落ちておりますので、皆様もすでに流行しているインフルエンザなどに罹らないようこれまで以上に気をつけてお過ごしください。  また一番印象に残っているのは、戦争に始まり、戦争で終わる年になりそうだということです。昨年二月にロシアがウクライナに侵攻してからもう二年近くたっていますが、まだ停戦しておりません。国際機関や双方の内部でも、戦争が長期化すればするほど分断が深まっています。そして、世界が置き去りにしてきたパレスチナ問題が今、これまでにない激しさで世界を揺さぶっています。今年の秋にはハマスとイスラエルの対立が激化し、憎しみが憎しみを生む果てしない暴力の連鎖が続いております。早急に国連に変わる実行力のある国際機関を立ち上げて、一刻も早く戦争が終わることを望みます。 盛者必衰のことわり  今月は紡績の展示会で大阪に二度出張いたしました。展示会でお邪魔した二社の展示会では、どちらも他社とコラボした生地開発に力を入れておられました。どのアパレルも在庫過多で生地発注も減少気味。アパレルの製品在庫が少なくなれば発注は出ますが、ロットは細かく、希望納期も短いので、受注順に流

LIMIT NETWORK Vol.259

   いつもお世話になりありがとうございます。  枯葉舞い散る季節を迎えまだ振り返るには少し早いですが、今年は一年が特別速かったと感じるのは年齢のせいでしょうか。コロナ禍からの経済活動正常化の動きが続いていますので、先行きは内需の押し上げにより景気は緩やかに回復すると思われます。しかしながら今年は予定不調和な出来事が多すぎた気がします。ウクライナ戦争に始まり、米国の急激な利上げ、中国の不動産投資低迷、米中対立、急激な円安、物価上昇、猛暑、イスラム組織ハマスとイスラエルの交戦などなど。  大リーグ大谷選手の二刀流大活躍や将棋の藤井聡太八冠など、スポーツ文化面では明るい話題が多かったですが、経済は暗いニュースが多かったように感じます。  もうすぐ立冬を迎えますが、日中日差しの中にいますとまだまだ暑く、半袖でも十分といった気候が続いています。来月以降も暖冬予報がでておりますので、こちらは予定調和でスタートダッシュの遅かったリミット秋冬物が途切れることなく、なが~くご注文いただけますよう願うばかりです。 一、 価格値上げのお願いと五五周年記念カタログの作成  今月の初めに販売店の皆様には、リミット販売価格改定のお知らせをFAX送信させていただきました。  前回値上げをいたしました二〇一五年三月から九年間、販売価格を維持してまいりましたが、今の円安による加工賃送金の激増、原材料・物流費の高騰、人件費の上昇などが基因して、もはや現在の価格水準を維持することが困難となりました。  弊社としましては、何とかコロナ禍の三年間は価格を維持するため、本社機能を新市に移したり、総合カタログも三年間共通にしたり、その他合理化・省力化を図り全社を挙げて対処してまいりました。しかしながら、もはや企業努力のみでは吸収しえない段階に至りました。よって誠に恐縮ですが、二〇二四年三月販売分から二十%の値上げをさせていただきたく、ここに改めてご理解・ご協力をお願い申し上げます。  新価格の入ったリミット総合カタログ Ⅴol.52は、来年二月発刊となります。この度のカタログはリミット設立五五周年記念号として、これまでの女性のためのユニウェアと男女兼用ユニセックスのビーバイシーブランドに、新たに上質で淑徳なリフィンブランドを加え、働く女性の制服を総合的に網羅するカタログになります。働く二十の現場でロケ撮影を敢

LIMIT NETWORK Vol.258

   いつもお世話になりありがとうございます。  秋分を迎え、朝夕は少しずつ秋の訪れを感じられる季節となりました。  とはいえ日中はまだまだ暑い日が続き、今月前半は秋冬物の出荷に勢いがなく、後半になって徐々に勢いが出てきました。気候だけでなく景気の影響も多分に受けているとは思います。昨年は大口受注が複数入り、三割近く伸ばしていたので売上ダウンは仕方ないのですが、円安・物価高も高止まりで国内と海外の工賃が逆転しており、来年の値上げまで打つ手がなく頭の痛い問題です。 一、 新カタログ製作  混沌としたなかでも、企画の方は来年度カタログ作成が佳境に入っております。前回のカタログはコロナ禍ということもあり、「はたらく。笑う。 生きる。」をテーマに三年間廃番を出さず、価格を変えず、一日も早くコロナが終息し日常が戻って欲しいといった願いを込めたカタログでした。  前回発刊から三年。コロナの完全終息には至っておりませんが、世の中は間違いなくアフターコロナが進み、市場環境は一変しました。今だからこそ改めて「リミットが製造するユニフォームの可能性」について再考し、多種多様な職場ではたらく女性たちが、自らの一着を選びやすいように、職種カテゴリーや働く現場シーンをテーマごとに分類し、機能性や躍動感に共鳴していただける臨場感のあるカタログを創ることにいたしました。新商品も三年の時間がありましたので多数取り揃えました。久しぶりにリミットの新たな世界観をご提案できるようまい進しております。こうご期待を。 二、 相互理解は情報公開から  昨年はお盆過ぎから残暑が弱まり、九月初旬の商戦スタートも順当でした。今年は九月が飛んだ感じになりましたが、こうなると懸念されるのが在庫過多の問題です。どのアパレルも増加しているようで、金融機関も警戒しております。先日も銀行の担当者が来られて在庫の話になりました。そこで百聞は一見に如かず。試算表の在庫金額だけではご理解いただけないでしょうから、どうぞ倉庫をご自身の目で見てやって下さい。とご案内し、直接ご説明いたしました。  多品種小ロットのリミット。製品アイテムごとに種類、色、サイズ別に整理している居並ぶ棚。中国からの入荷日付の入った段ボール箱を古い順に前列に整理している工程作業やハンガーもののラック。ビニールのかかった正反生地を種類ごとに整理整頓している棚、裁断